2018年4月23日配信。
「しなキャリ図鑑」インタビュー掲載記事より(一部抜粋)。
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シニア不動産コンサルタントのチカラ(2)
<シニア不動産コンサルタントとはどんな仕事?>
病院・行政・社会福祉法人などから紹介を受け、高齢者の方のニーズをヒアリングするところから始まります。物件探し、資料送付、内見の立ち合い、審査手続き、入居手続き、契約、引き渡し等、一連の不動産仲介のフローです。自分の所有物件については管理業務もしています。一人で仕事をしているので、電話対応や一時的な作業などは外注し、限られた時間を効率的に使うように意識しています。
賃貸物件にお住まいの高齢者は古いアパートが取り壊されるときに、立ち退きを求められても新しい家を探すのが難しいという問題があります。あとは長期入院後の住まい探し、グループホームも大体3年くらいで出なくてはいけないことが多く、そういった際に病院やソーシャルワーカーさん、行政、地域包括支援センター、不動産会社から連絡が来ることが多いです。
起業して数年は、朝から晩までこの仕事をしていて自由な時間もなく、何のために独立したのかも見失いそうになったこともありましたが、最近は自分で外注化や効率化など仕事量をコントロールすることでメリハリをつけられるようになりました。そうすることで、iPhone写真家としての時間や家族との時間もバランスをとれるようになり、逆にこの仕事にやりがいを強く感じるようにもなりました。週7日働いている時は、仕事は好きなのだけれど、満たされなくて、でもそれは、仕事をやりすぎていただけなんだと気がつきました。 <一日の仕事スケジュールは?>
週3日間を不動産の仕事、そのほかの日はiPhone写真家としての活動や家族との時間にあてています。
5:00 起床
5:00~7:00 ブログを執筆
7:00~8:00 朝食・身支度
8:00~8:30 新着物件チェック
8:30~12:00 新しい物件を買うための資料作りやブログ執筆などのクリエイティブ業務
12:00~13:00 昼食・新着物件のチェック
13:00~17:00 外出 地域包括支援センターやお客様の家を訪問(外出するときは集中してアポイントメントを入れて、時間を効率的に使うようにしていますね)
18:00 帰宅
家族と夕食
22:00 就寝
<シニア不動産コンサルタントにとって大切な能力はなんですか?>
1.思い込みを持たずに事実に基づく情報を集めるチカラ
情報収集力 情報分析力 交渉力
お客様の思い込みで「借りられない」と思っていても、事実としては借りられる道があったり、引っ越さなくてもいい方法があったりするんですよ。だから事実と現実的な考え方、思い込みを分けて考えることが大事だなと思っています。不動産屋に行ったら「この金額なら物件はいっぱいありますよ」といわれることがあっても、実際はお客様の年齢的に入居審査すら受け付けられない保証会社を利用していることもあります。不動産の世界は表面的な情報だけでは、判断しきれないことがけっこう多いので、まず物件情報がチラシ通りなのかちゃんと確認する必要があります。それに交渉によって条件が変わったり、タイミングによって変わったり、交渉相手によっても変わったりします。ある不動産屋が「高齢者歓迎」と謳っていても、そこに物件を預けているオーナーさんが高齢者の入居に積極的でない場合もあります。ともかく事実の情報を拾いに行く、確認することが大事です。僕自身、そうやって、思い込みを持たずに物件を探し、交渉することで、難易度の高い高齢者の方の物件を見つけ出しています。
2.変化に対応する力
計画立案力 柔軟性 リスク管理能力
不動産は常に市場の変化や法改正もあり、それらに対応する力が必要です。だから何事も変化すると思って取り組むことが大事だなと思っています。
たとえば、これは物件オーナーとしての話になりますが、賃貸市場はこれから先細りしていく傾向にあります。まあ立地が良ければ話は別ですが、なんの工夫もない物件は市場から淘汰されていきます。そういったことも踏まえ先を見越して、賃料が下がる前提で投資をしないと、損をしてしまうことになります。ほかにも地震が起きた時や部屋で事件事故が起こった時など、不測の事態で不動産を売却せざるを得なくなった時にどれくらいで売れるかなど、先を見越して様々なシミュレーションをして意思決定をしていくことで、変化に対応することができます。
お客様のニーズも急にころっと変わることもあります。臨機応変に対応するという意味でも、変化に対応する力というのは大事だなと思っています。
3.心を穏やかに保つチカラ
感情制御能力
もう契約寸前なのに、お客様が決まりかけていた物件を急に「やっぱり嫌だ」と言い出すこともあります。高齢者の住宅探しはある意味、妥協点を見つける作業でもあり、だからこそ表面的なニーズしかつかめていないと、最後の最後で契約に至らないということもあります。そういった時に一喜一憂しないことも大事です。不動産の仕事は常にアップダウンがあります。その時々の状況で気持ちまでも浮き沈みがないように構えられるかは仲介営業の立場でも物件オーナーの立場でも大事かなと思います。<仕事のやりがいや面白みはどんなことですか?>
高齢者の物件はなかなか条件に合うものがなく、そういった物件を「見つけた」瞬間は、まさに宝探しで宝物を見つけたような感覚で嬉しくなります。
実際、家探しに苦労されている高齢者の方は多く、住むところが見つかって喜んでいただけるのは自分にとって大きな喜びです。僕の中では、やはり困っている人を助けたいという気持ちが強いんです。高齢者だから、障害者だからと言って、その人の人となりや人物をみないで、家を貸さないという世の中の理不尽さには正直怒りを感じているところもあります。もちろん僕がオーナーとして物件を貸すときも審査はしますが、年齢や障害を理由に断ることはしません。他に迷惑をかけたり乱暴な言動がなく、自立した生活ができれば何歳でも入居可能です。入居が決まり喜んでいただけたときは、やはり嬉しいですよね。それは仲介でも同様です。
何十件も不動産屋を回ってきて、家を見つけられなかった方の物件を見つけられたときは喜びも大きいです。家が見つけられたことで退院できることもありますし、高齢者の場合はその人を取り巻く支援者もたくさんいて、そういった方々も一緒に喜んでくれるので、喜びは何倍になります。
⭐︎今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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