TIME IS LIFE

撮ること・書くこと・歩くこと

写真を撮りはじめて分かったこと

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ここに1枚の写真がある。

 

写真に映る二人の影は恋人同士だろうか。

愛の言葉を伝えあっているのかもしれないし

そうではないのかもしれない。

 

いや、もしかしたら・・・

 

二人の影は親子かもしれない。

離れ離れになってしまった父と子の

再会の日だったのかもしれない。

 

何を見てどう想像するかは

すべて自分次第。

 

想像力が自分の見る現実を決め

生きる世界を創っている。

 

 

日常のすぐそばで

2015年2月。

iPhoneで撮った写真をインスタグラムに投稿をはじめた。

自分の心がキュンと動いた瞬間を写真という形で切り撮り、世界中の人と共感できることが嬉しかった。

 

起業して以来、仕事漬けの毎日。

そんなぼくがいつもと違う景色を探し、街を歩くことが日課となった。

 

iPhoneを片手に好奇心を握り締め、街を眺め歩くことで見慣れた景色も旅先へと変わっていくようだった。

いつも素通りしていた河原に足を運び、いつも足早に通り過ぎてきた街並みを眺める。

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この街で慌ただしく過ごしてきた日常が嘘のように、ぼくが知る日常のすぐそばで穏やかな時間は流れていた。

 

いつもと違う、ほんの僅かな行動で、自分の目に入ってくる世界は大きく変わるということを実感した。

 

 

心のための仕事

誰に頼まれるわけでもなく、ぼくは自分の心のままに写真を撮り続けている。

 

独立してこれまでやってきた仕事は誰かのオーダーに応え、そのオーダーを満たすことで成り立ってきた。つまり誰かの抱えている問題を解決することが仕事だった。

 

複雑に絡み合った問題を解きほぐし解決することも仕事としては面白いが、その面白いと感じる部分が、写真に対する面白さとは違うのだ。

 

問題解決の仕事は、ぼくの「頭」が面白いと感じていて。

写真を撮る仕事は、ぼくの「心」が面白いと感じている。

 

写真を撮ることで満たすべき対象は自分の心なのだ。

 

 

心はひとつ

写真を撮ることで満たすべき対象が自分の心である以上、競争相手は外にはいない。

 

どれだけ自分の心に真摯に向き合い、行動に移せるか。

ただそれだけなのだ。

 

心のままに歩き、心が動く瞬間を写真として切り撮る。

いくらやっても飽きない。自分にとってライフワークと呼べる、なくてはならない時間である。

 

しかし、それを作品として世に残し、誰かに伝えようとした時には苦悩も生まれる。

 

たとえば個展や写真展を開催するとき。

自分の内面をより深く伝えるにはどうすればいいかと考える。

 

そんなこと考えずに、自分の好きに心のままにやれば良いじゃないか、という声も聞こえてきそうだがぼくは考えてしまう。

満たすべき対象は自分の心だと言っておきながら、自分と関わってくれる人の心は満たしたいものであれこれと考えてしまう。

 

ただそれは自分の傍にいてくれる人の心を満たすことが出来て、はじめて本当の意味で自分の心が満たすことが出来ると思っているからに他ならない。

 

もしかしたら自分の心も、人の心も、深い部分では見えない何かで繋がっているのかもしれない。

 

 

異なる部分に

ある美術館での一コマ。

 

言葉と題名の有る写真を前に。

自分は「うんうん」と頷く。

その横で彼女も「うんうん」と頷く。

 

言葉による丁寧な説明は、写真が撮影された背景を深く知ることができる反面、言葉によって意味付けされた世界に思考を奪われ、想像力を失ってしまうような気もする。

 

もうひとつ。

 

言葉も題名も無い写真を前に。

自分は「こうだな」って思った写真を
彼女は「あれだね」って解釈する。

 

同じものを見ていても、見えているものは異なる。

そこで相手の感性を知って嬉しくなったり、刺激を受けたり、また愛おしく思ったり・・・そんな違う部分を知って二人の間はより深くなっていく。

 

そんな違い、人の感性、個性を知ることが、ただ楽しい。

 

 

写真の可能性

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言葉を持たない写真の可能性に心を惹かれる。

 

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 大好きな人と同じものを見て「ああだね、こうだね」ってお互いのことをもっと深く知ることが出来たら毎日がもっと楽しくなる。

 

そんな言葉を持たない写真たちを片瀬江ノ島の「ギャラリーT」に集めました。

 

ゴールデンウィークに片瀬江ノ島で個展を開催します。

 

若杉アキラ 写真展:入場無料

期間5月4日〜5月10日

11:00〜17:00(初日12:00〜)

神奈川県藤沢市片瀬海岸1-9-10
江ノ電・江ノ島駅より徒歩2分

http://www.gallery-t.net/access.html

 

海のない群馬県で育ったぼくは幼い頃から海へ行くことが大好きでした。

これまで鎌倉にも江ノ島にも何度も足を運んで来ました。

何度も足を運ぶうちに気がついたのは、ぼくは海のある町の雰囲気や空気感が好きだということでした。

海のある町を歩くことで、心洗われ、より深く日々の暮らしを味わう毎日に繋がりました。

 

この大好きな地で個展の開催が出来ることを、とても嬉しく心待ちにしています。

 

春の行楽シーズン。

鎌倉・江ノ島散策の憩いの場としてギャラリーTでお待ちしております。

期間中は毎日在廊しておりますので、お気軽にお声がけいただけたら嬉しいです。

f:id:akira-wakasugi:20170404083651j:image 写真を撮りはじめて分かったこと

・いつもと違う、ほんの僅かな行動で、自分の見る世界は変えることができる。

・同じものを見ていても、その見方・感じ方は人それぞれ。

・想像力が自分の見る現実を決め、生きる世界を創っている。

・自分の見たい世界を追求していくことで本来の個性を取り戻すことができる。

・写真を撮ることで自分の想像力を養い、豊かな心を持つことができる。

 

毎週水曜よる9時更新