もしも自分が倒れたら・・・
収入が途絶えてしまう。
また心配性な自分が顔を出す。
独身時代は考えもしなかったことを
家族ができるとリアルに考えるようになる。
絶対に守るべきものがあるならば
「絶対に守る」ことを前提に動き出せばいい。
自分1人だけでは・・・
2007年11月。
当時はオーナーシェフとして独立を目指し飲食店で働いていた。
しかし、独立したいと思う反面、収入の源泉が自分の労働力に一本化してしまうことに大きな不安があった。
そこで自分が働いて得る収入以外にも収入の源泉を作るために、飲食店で働きながら不動産の勉強をはじめた。
ただ不動産の勉強を始めたといっても、始めは副業としてお小遣い程度の金額を稼げればいいと考えていた。しかし、新しい知識を学び深めていくうちに、料理を作ることよりも不動産を学ぶことの方に興味を惹かれ、ぼくは飲食業界から不動産業界へ転職することにした。
当初の作戦では、不動産業界へ入り不動産の勉強をしながら会社員として勤続年数を重ね信用を作り、銀行借入れをして大きな不動産をいくつか買い進めていこうと思っていた。いくつか不動産を買い進めた後に、会社を辞めて慣れ親しんだ飲食業か不動産業で独立しようと思っていた。
・・・とまぁそんな感じで机上の計算は完璧だった。
しかし、ぼくは会社員時代、暗黙の了解のように課せられる残業地獄に耐えられず、1つの不動産も買わないまま会社を飛び出し起業してしまった。
だから起業当初は本当に苦しかった。
新規開拓で営業先を飛び回る日々・・・
会社の収益源は自分の労働力のみ・・・
もしも自分が倒れたら会社の収入も家庭の収入も完全に途絶えてしまう。
まさに自転車操業だった。
ぼくは起業して会社を作ったが、実態は自分の労働力一本で会社も家庭も支える個人事業主として日々の生活をやりくりすることに精一杯だった。
相棒の誕生
2012年9月。
小さな不動産を買った。
不動産に興味を持ち学び始めてから5年。
がむしゃらに仕事に打ち込み貯めてきたお金で買った念願の不動産だった。
小さな不動産から毎月手元に入ってくるお金は数万円だったけど、自分と一緒にお金を稼いでくれる相棒が出来たみたいで嬉しかった。
その後もお金を貯めては数百万円で買えるマンションの1室に的を絞り少しずつ買い増していった。
割安な不動産を見つけて、現地調査をして、条件交渉をして、購入して人に貸し出す。そうやって何度も何度も同じことを繰り返す。単調な作業であるが、ぼくにとっては今でも毎日が宝探しなのだ。
そして自分の相棒となった不動産は、自分が仕事を休んでいる間も黙々とお金を稼ぎ続けてくれる。
自分の労働以外にも収入の源泉を作りたいと思い始めた不動産の勉強。
随分時間はかかってしまったが、新たな源泉は着実に育ち始めている。
リスクマネジメント
しかし、不動産を持つことはリスクも伴う。
たまに同業者に小さな不動産を買い続けている話をすると決まってこう言われる。
「話しは分かるけど、そのやり方は先が見えないし手間がかかるからね」
その通りである。
小さな不動産をいくつも買い増して会社の基盤を支えていく収益源に育てるまでには手間と時間がかかるのだ。
小さな不動産を1つ買う手間も、大きな不動産を1つ買う手間もほとんど変わらない。
加えて現地調査や条件交渉、貸し出すまでの手間などは対象となる不動産が増えれば増えるほど多くかかるのだ。
さらに不動産を長期間保有するリスクの1つとして将来の価格下落リスクがある。
市場は常に動いている。毎月の家賃収入を得ることが目的だからといっても売ることを考えないで保有するわけにはいかない。
何かの事情で止む終えず売らなければいけない可能性もある。
その時に銀行への残債があれば、それより高く売らないと必要な資金を捻出することも出来ない。
だから転売目的で小さな不動産を買う同業者は沢山いるが、長期保有目的の大家さんとして小さな不動産を買う同業者はほとんどいない。
しかし、転売目的で買う同業者が沢山いるということは、転売しても利益が出るくらい割安に不動産を買いやすい市場ということなのだ。
たとえ家賃収入を得ることが目的でも、出来る限り安価に不動産を購入し、将来の価格下落リスクに備えておくことは最低限必要のリスクマネジメントなのだ。
不動産を買い続ける手間と時間を受け入れることができ、価格下落リスクに備え安価に不動産を購入することが出来るのであれば・・・
(ここだけの話、なかなか手堅いビジネスなのである)
ただ短期間で転売すれば将来的な価格下落リスクも避けることはできる。
だから業者は短期間で転売するのだ。
しかし、家賃収入を生む不動産をすぐに手放してしまっては、いつまで経っても収入の源泉が自分の労働力一本だということに変わりはない。
不動産を売り買いするのは自分の労働である。
不動産は保有して家賃収入が継続的に入る状態を構築して、はじめて不労所得になるのだ。
自分はその対象に何を思い何を求めているのか。
どんな時も自分にとっての本質的な目的を見失ってはいけない。
自分に合った相棒を探す
調理師をしていた頃、自分はずっと朝から晩まで働き続けなければいけないと思っていた。料理を作ることは好きだったが、その労働環境はどうしても好きになれなかった。
自分にもしものことがあった時に家族が生活に困らないようにするために。
自分がより熱中できる仕事に集中するために。
どうしても自分の相棒として働き収入を生み出してくれる仕組みが欲しかった。
ぼくはその相棒に不動産を選んだが選択肢は1つではない。
他にもたくさんの選択肢がある。
それは株でもアフィリエイトでも物販でも何でもいい。
自分に合った相棒を選べばいい。
ただ何をするにもそれなりの勉強は必要だ。
ぼくは株もアフィリエイトも物販も全部やった。
全部やったけど全部中途半端だった。
たくさん失敗もしたし損もした。
なによりどれをやっても「楽しい」とは思わなかった。
その中で唯一「楽しい」と思えたのが不動産だった。
だから今でもお宝物件を見つけるために毎日ネット検索や情報収集をすることが楽しみだし完全に習慣化されている。
そうやって少しずつ増やしてきた不動産に会社の基盤は支えられ、家族の生活も守られ、自分が自由に動ける時間を作り出すことが出来ている。
その自由に動ける時間を使って、自分が最も熱中できることに全力で打ち込み、高まったスキルに対価が支払われるようになり、その遊びは仕事と呼ばれるようになる。
自由に生きるために学んだ〜お金の稼ぎ方〜
・自分が働いて得る収入以外にも収入の源泉を作る。
・自分が「楽しい」と感じる分野で新たな収入の源泉となるものを探す。
・リスクマネジメントを徹底して常に損失は最小限にする。
・自分の相棒となる仕組みがお金を稼いでくれている間に、自分はより熱中できることに集中してスキルを高めていく。
・高まったスキルに対価が支払われるようになると、その遊びは仕事と呼ばれるようになる。
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