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寄付や募金をする前に考えたい3つのこと

f:id:akira-wakasugi:20200713135436j:image はじめに -「何かしなくちゃ」と思ったとき-

自分にも何かできることはないだろうか。

水浸しになった家の中の泥を泥まみれになって掻き出そうとする隣人を前に、「がんばってください」なんて言えない。一緒に泥まみれになって泥を掻き出したくなるのが人情ではないでしょうか。

 

地震、台風、水害など自然災害を目の当たりにして、「何かしなくちゃ」とボランティアに駆け付けたことがある人もいるでしょう。

 

しかし現実問題、それぞれ仕事や家庭での役割もありますから、全ての人がボランティアに行けるわけではありません。それでも自分に何かできることはないかと考え、寄付や募金をする人もいるのではないでしょうか。

 

実は、これまで寄付の話をすることは控えてきました。偽善だの売名だの批判されるのが嫌だったからです。でも、たとえ偽善や売名だとしても、何もしないのではなく、「何かしなくちゃ」と行動する人たちの姿を見て、自分もやれることはやろうと少し肝が据わってきたように思います。

 

「何かしなくちゃ」と思いながら…何もしない。私自身、そんなモヤモヤを振り払うように始めた寄付活動ですが、10年以上続けています。特定の災害へ単発の寄付もしてきましたが、ほとんどは毎月定額で自分が応援したい支援団体に寄付するようにしています。

 

寄付や募金をするときも、ビジネスや投資と同じで、限られた資源をいかに効率よく使うことができるか、と見極めることが大切です。善意の気持ちで贈るお金だからこそ、届けたい人にしっかり届くよう、お金が自分の手元から離れる前に考えたいことをまとめてみました。

 

1.支援金と義援金の違い

お金の行き先は自分の想いに沿っているでしょうか。

寄付や募金をする前に知っておいてほしいことがあります。

 

寄付や募金の行き先は、それが…

「支援金」なのか?

「義援金」なのか?

で大きく変わってきます。

 

今年7月の豪雨被害への支援も行っている日本財団によると…

支援金とは、あなたが応援したい団体、関心がある分野の団体を自分で選んで寄付し、被災地の支援に役立ててもらうお金。

義援金とは、被災者の方々へお悔やみや応援の気持ちをこめて贈るお金。

 とされています。

 

・支援金は被災地の復旧活動に使われますが、義援金は使われません。

・義援金は被災者に公平に配分されますが、支援金は支援団体に使い道を託します。

・支援金は被災地にすぐ届きますが、義援金は被災者に届くまで時間がかかります。

 

このように「支援金」と「義援金」では、お金の行き先が違います。被災地の復旧活動に寄付をするなら支援金。被災者に寄付をするなら義援金を選ぶことになるでしょう(下記参照)。

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支援金と義援金の違い | 日本財団

 

2.どこに寄付する?

寄付や募金はどこに贈ったら良いでしょうか。自分のお金を託すわけですから信頼はもちろん、効率よく効果的に使ってくれるところに寄付したいものです。

 

寄付を募っているWebサイトではお金の使い道や実績を公表していますので、寄付をする前には必ず確認しておきましょう。お金の使い道が不明確であったり、実績を公表していない団体は信頼できませんよね。

 

とはいえ、支援のプロではない私たち一般人にとって「寄付先が信頼できるか」「効率よく効果的にお金が使われているか」を見極めるのは難しく、そこに時間を使ってばかりもいられません。

 

そこで「お金の使い道が明確であること」「実績を公表していること」に加えて、私たちが効率よく支援できる寄付先をいくつかピックアップしてみました。

 

手元から離れたお金はコントロールできませんが、自分の手元にあるお金やポイント、時間などの資源をコントロールして効率よく使うことはできるでしょう。

 

日本赤十字社(税控除の対象)

www.jrc.or.jp

「寄付先の検討に時間をかけられない」という人は、老舗の日本赤十字社の義援金にお金を贈ってはどうでしょうか。義援金の全額が市町村を通じて被災者に届けられることをHP上でも表明しています。義援金はゆうちょと銀行振込に対応。活動支援金はクレカにも対応しています。

 

LINE(税控除の対象外)

official-blog.line.me

「スマホで簡単に寄付したい」という人は、LINEから寄付する方法もあります。寄付金は日本赤十字社の義援金として被災自治体を通じて全額被災者に配分されることをHP上で表明しています。LINEPayやLINEポイントを使って寄付ができます。日本赤十字社の義援金にクレカで寄付できるのはお得ですよね。

 

Yahoo!ネット基金(税控除の対象外)

donation.yahoo.co.jp

「お金よりポイントで寄付したい」という人は、Tポイントで寄付できるYahoo!ネット基金はどうでしょう。自分の贈ったお金がYahoo!の支援(上限500万円まで)で2倍になって被災地や被災者に届きます。寄付金は被災地の復旧活動や被災者の支援活動を行うNPO等への支援金、被災者への義援金として使われます。もちろんクレカでの寄付にも対応しています。

 

READYFOR(税控除の対象と対象外あり) 

readyfor.jp

「早く的確に寄付したい」という人は、クラウドファンディングの「READYFOR」を使って寄付することもできます。READYFOR緊急災害支援プログラムでは被災地に入って活動する支援団体に、いち早く、直接届く支援金を募っています。どの地域でどんな活動をする団体にお金を託すのか自分で決めることができます。銀行振込とクレカのほか、マネックスポイントからの寄付に対応しています。

 

楽天ふるさと納税(税控除の対象)

hb.afl.rakuten.co.jp

「特定の地域に寄付したい」という人は、楽天ふるさと納税はどうでしょうか。長い目でみると地域の復興は自治体に寄付することも有効かと思います。ふるさと納税のサイトはたくさんありますが、楽天ポイントで寄付したり、寄付することでポイントも貯まるのでお得です。もちろんクレカでの寄付にも対応しています。

 

3.寄付金控除について

国や自治体、特定の法人などに年間2000円以上の寄付をした人は、確定申告をすると寄付金控除(もしくは寄付金特別控除)を受けることができます。寄付するとお金が戻ってくる、と聞いたことがある人もいるでしょう。

 

確定申告というと税務署に行ってやる面倒な手続き、というイメージもあるかもしれませんが、じつは税務署に行かなくてもネットや郵送でできます。申告するだけで所得税や住民税の負担を軽くすることができるので、税控除の対象になる寄付をした人は申告したほうが、経済的にはお得です(下記参照)。

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とはいえ、確定申告をしたことがない人にとっては精神的に負担を感じるものです。善意の気持ちで無理のない範囲で寄付をしたいだけなのに、面倒な手続きが増えてしまうのは時間のムダとも言えます。

 

確定申告ナシでお金を取り戻す方法

確定申告が面倒な人は、税控除の対象にはなりませんが、より早く、簡単に寄付できる「LINE」や「Yahoo!ネット募金 」など、そもそもお金を使わずにポイントを活用できる寄付先の方が良いかもしれません。

 

ふるさと納税の寄付に限定されますが、ワンストップ特例制度を利用することで、確定申告ナシで寄付金控除を受ける裏ワザもあります。

もちろん申請書などを提出する必要はあります。それでも、ポイントで寄付して、ポイントを貯め、確定申告ナシで寄付金控除が受けられるのは経済的にも時間的にも魅力的でしょう(下記参照)。

hb.afl.rakuten.co.jp

 

おわりに -毎月定額の寄付をしている理由-

寄付や募金は、自分が自由に使えるお金を贈るわけですから、自分が届けたいところに届いてほしい。いまで言えば、今月の豪雨災害で被災された方や地域に届けたい。テレビやネットで大きく報道されていますから、「何かしなくちゃ」と心も動きます。

 

しかし、今月の豪雨災害に限らず、毎年各地で水害や土砂崩れなどの災害は起きています。自分が知らない、もしくは無関心なだけで国内はもちろん、世界中で助けを求めている人、助けが必要な人がいることも事実です。

 

そう考えると「何かしなくちゃ」と行動に移すことができるのは、自分が知っている範囲のことだけに限られてしまうわけです。知っていたら…自分にも何かできることがあったかもしれない、と思うとなんだかモヤモヤしてきます。

 

こうしたモヤモヤを少しでも振り払いたいと思い、単発の寄付とは別に毎月支援金を募っているいくつかの団体に定額で寄付をしています。共感する支援団体の活動をサポートすることで、自分が知っている範囲はもちろん、自分が知らない災害や出来事の支援にも関わることができるからです。

 

とはいえ微力、超微力…。それでも、自分にできることから。