仕事が終わらない。
また明日へ先送りにするのか・・・
そうやって昨日と同じ選択をした今日は明日を変えることは出来ないのだろうか。
残業地獄は終わらない
2013年6月。
目の前には仕事しか見えなかった。
2年前、勤めていた会社の残業地獄から抜け出したい一心で、ぼくは逃げ出すように起業した。会社組織から逃れ自由を求めての起業であったが、実態は全く自由ではなかった。
会社を辞め会社員としての残業地獄から逃れることはできたが、今度は起業家として今まで以上に仕事に追われる毎日を過ごすことになってしまった。
(こんなはずじゃなかった)
自分の求めていたものは、自由な暮らしであって、仕事に追われる暮らしではない。
自由な暮らしと言っても、働かずにゴロゴロして暮らしたいとかそういうわけではない。家族や友人と過ごす時間や自分の興味の赴くままに好きなことを出来る時間が欲しいだけなのだ。
その自分の好きなことを仕事にしていきたい。
だから好きなことを仕事にするための練習をする時間が欲しいのだ。
しかし、その練習をするための自由な時間を手に入れるためには、自分の身を自由にするためのお金を稼がなくてはならない。好きなことを仕事にできるまで、練習をしている期間も暮らしていくためにはお金が必要なのだ。
家には妻も子もいる。
あの創業期に味わったお金の無い苦しさはもう味あわせたくない。
だから今はたとえ目の前に仕事しか見えなくても、できるだけ多くの仕事をこなしていきたかった。
主導権を取り戻す
当時は仕事の依頼があれば土日も休まずに働き続けた。
顧客の希望にできる限り応え続けることが、事業の継続に繋がると信じていた。
しかし、全ての依頼を受け続けるのには限界があった。
電話応対や事務処理・経理などはアウトソーシングしていたが、会社の顔となる営業や接客、それに付随する細かな事務処理は全て自分一人で行っていたからだった。
このまま一人でやっていくのには限界がある。
従業員を雇うか・・・何度も考えた。
従業員を雇えば自分の抱えている仕事を分散できる。
(楽になれる)
何度も何度も考えた。
しかし、今日の今日まで従業員を雇うことは一度もなかった。
従業員を雇い仕事を分散するのではなく。
的を絞り仕事を集中させることにした。
自分の働く曜日や時間を明確に決め、それ以外の時間は働くことをやめた。
つまり顧客の希望に対して初めて「NO」と言ったのだ。
クチコミを聞いて仕事を依頼してくれる人に「NO」と言うのには罪悪感があった。
起業当初、依頼が全くない日々を思い返すと、仕事のある今がいかに有り難いことなのか胸が詰まるほどにわかる。
しかし、目の前は仕事しか見えない今の状況を変えるには、根本的な仕事への考え方を変える必要があったのだ。
働き方の変化
顧客の希望に対して「NO」と答えるのには罪悪感があった。
ただ何かを本気で変えようとしなければ、昨日と同じ今日の選択で明日が変わることはなかった。
これまでは顧客の希望にできる限り応え続けることが、事業の継続に繋がる信じていた。
そのためにはサービスを提供する側の自分が犠牲になることは仕方がないと思っていた。
土日しか都合のつかない人がいれば自分の休みを削ってでも土日にアポイントを入れたし、仕事帰りしか都合のつかない人がいれば家族と夕食を食べる時間を削ってでもアポイントを入れてきた。
実際、お客さんは喜んでくれたし、それがクチコミに繋がったこともある。
しかし、それは同時に自分の大切にしたいものを犠牲にすることになってしまった。
土日も休みなしで働き続け、頭の中ではいつも仕事のことがぐるぐるとまわっていた。
休日に家族で出掛けることもままならず、毎日帰宅も夜遅く、夕食を家族みんなで食べることも出来ない状況。
自分の求めていたものはこんなことだったのか・・・
(いや、絶対違う)
ぼくは思い切って働き方を変えることにした。
これまでの24時間いつでも営業スタイルから、一日数時間限定スタイルに働き方を変えることにした。
顧客には社内方針が変わったということを、きちんと説明し理解を求めた。
営業日・営業時間を明確に決め、その時間内で出来ることに全力を尽くすようにした。これまでの24時間いつでも営業スタイルでは、終わりの見えない仕事にだらだらとしてしまうこともあった。
しかし、一日数時間限定スタイルにしたことにより、限りある時間で成果を上げるために集中力が増し仕事の効率も上がるようになった。
そして家族との時間もゆっくりと穏やかに過ごせるようになった。
本当に単純なことだった。
ぼくは勇気を出して顧客に「NO」と言った。
罪悪感もあったし顧客から見放されてしまうのではないかという恐怖心もあった。
しかし、それでも「NO」と言わなければ前に進めなかった。
当初は主導権を持って始めた仕事でも、時が経ち顧客との関係性や経済状況などに流され、いつの間にか主導権が自分の手から離れてしまうことがある。
顧客の希望にできる限り寄り添うという姿勢は今も変わらないが、自分や自分の大切な人を犠牲にする必要はないと思っている。
相手のことを想い心に寄り添いながら自分のことも大切にする。
その方法を徹底的に探していく。
なぜなら起業した目的は、仕事に追われるためではなく、仕事も遊びも自由に楽しむためなのだから。
「NO」と答えてわかったこと
・好きなことを仕事にするために練習をする時間を作る
自分の好きなことを仕事にしていきたい。
だから好きなことを仕事にするための練習をする時間が欲しかった。
しかし、その練習をする自由な時間を手に入れるためには、自分の身を自由にするためのお金を稼がなくてはならない。好きなことを仕事にできるまで練習をしている期間も暮らしていくためにはお金が必要なのだ。
・主導権を取り戻す合言葉「NO」
自分の働く曜日や時間を明確に決め、それ以外の時間は働くことをやめた。
顧客の希望に対して初めて「NO」と言った。
クチコミを聞いて仕事を依頼してくれる人に「NO」と言うのには罪悪感があった。
しかし、今の状況を変えるには根本的な仕事への考え方を変える必要があったのだ。
・より良くなるために、良くないと思うことは変えていく
これまでの24時間いつでも営業スタイルから、一日数時間限定スタイルに働き方を変えた。顧客には社内方針が変わったということを、きちんと説明し理解を求めた。
営業日・営業時間を明確に決め、その時間内で出来ることに全力を尽くすようにした。24時間いつでも営業スタイルでは、終わりの見えない仕事にだらだらとしてしまうこともあったが、一日数時間限定スタイルにしたことにより、限りある時間で成果を上げるために集中力が増し仕事の効率も上がるようになった。
より良くなるために、良くないと思うことは変えていく。
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